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【古代〜現代】物流の歴史を辿る!物流誕生・発展の背景や今後は? | 関根エンタープライズグループ

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2023.04.05

【古代〜現代】物流の歴史を辿る!物流誕生・発展の背景や今後は?

本記事では、古代から現代に至るまでの物流の歴史を辿りながら、日本で物流がどのように誕生し、発展を遂げてきたのかをご紹介していきます。

また、今の物流現場が抱えている課題と、物流の未来についてもお話していますので、物流の歴史や今後の動向にご興味のある方は、ぜひ最後までご覧ください。

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【物流の歴史①】物流の誕生(古代〜鎌倉時代)

日本の物流の歴史は古く、旧石器時代から始まったとされています。

現代の物流は「輸送・保管・荷役・包装・流通加工・情報」の6つの機能を持っていますが、旧石器時代の遺跡から、黒曜石や鏃(やじり)を接着するアスファルトなど、産地が限られた鉱物が各地で発見されていることから、既に物流の重要な機能である「輸送」が存在したと言われています。

縄文時代になると鉱物の他に干し貝や塩といった食品が流通し始め、弥生時代になると海上を経由した物流「海運」が誕生。日本国内だけでなく中国との交易もスタートします。

また、縄文時代・弥生時代と言えば、米などの食糧を保管する校倉造(あぜくらづくり)の高床式倉庫が有名ですが、まさにその頃から物流の要となる「保管」が機能していたと言えるでしょう。

そして飛鳥時代に入ると、政治改革「大化の改新」によって陸路の輸配送を担う駅馬・伝馬制度が設けられ、平安時代中期〜後期には馬借や車借といった民間の運送業者が誕生します。

平安時代後期から鎌倉時代最初期には、現在の卸売業者にあたる問丸が登場。問丸は海上の運送・倉庫・委託販売業を営む組織で、年貢米の輸送や、廻船の管理、港湾税の徴収、陸路の運送業者である馬借との連携など、物流に関する幅広い役割を果たしていました。

なお、現在の物流機能については「物流の機能とは?各機能の役割と効率化に向けた取り組みについて」で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。

【物流の歴史②】兵站の重要性(戦国時代〜明治時代)

戦国時代になると、昨今の物流の土台となる「ロジスティクス」が重要視されるようになります。現代のロジスティクスは物流管理を意味する言葉ですが、もともとは「兵站(へいたん)」という軍事用語で、戦争時の物資調達や後方支援を指す言葉でした。

ロジスティクスと物流の違いについては「ロジスティクスと物流の違いは?それぞれの目的や役割について」でご紹介していますので、ぜひご覧ください。

戦国時代の幕が下りて明治時代に突入すると、文明開化に伴って海上輸送→鉄道輸送→道路輸送と物流が飛躍的に発展を遂げていきますが、当時の政府は人を運ぶための鉄道インフラ整備に力を入れていたため、貨物はこれまで通り船舶での輸送が主な手段だったとされています。

【物流の歴史③】物的流通の誕生(大正時代〜昭和初期)

大正時代〜昭和初期にかけての日本は、戦争や恐慌によって大混乱の時代を迎えます。その当時、日本の生命線となっていたのが海上輸送による物流機能です。

それまでエネルギー資源となる石油のほとんどを他国からの輸入に頼っていましたが、1941年(昭和16年)にアメリカが侵略国への石油輸送を停止したことを受けてエネルギー資源の確保が困難に。

また、自給していた石炭も戦争下で労働者や生産資源が減少したために採掘量が落ちており、この状況を打開するため、後に第二次世界大戦の局面となった太平洋戦争に踏み切らざるを得なくなりました。

その太平洋戦争で大きな被害を受けたのが、日本の生命線となっていた民間の物流船舶です。アメリカ軍によって日本の物流船舶が次々に沈められ、海上輸送の機能を失ったことも起因して終戦を迎えたとされています。

そして戦後、「日本はロジスティクスを軽視していたために太平洋戦争に敗れた」と考えられ、物流機能を再生するためにアメリカへ視察団を送り、物流のノウハウを勉強します。そこで日本に持ち込まれたのが「Physical Distribution」という概念です。当時は物流と呼ばず、英語を日本語に直訳した「物的流通」と呼んでいました。

【物流の歴史④】インフラ整備と小口配送スタート(1960〜1980年代)

インフラ整備と小口配送スタート(1960〜1980年代)

アメリカから物的流通のノウハウを学んだ日本ですが、1950年代以降も戦前・戦時中と変わらず、陸上輸送はなかなか発展しませんでした。むしろ、舗装されていない道路上での輸送によって商品が破損してしまい、衝撃をカバーするための梱包にかかるコストが問題視されていたのです。

そんな中で機転となったのが、1964年の東京オリンピック開催です。欧米から取り入れた最新技術を活用して陸路・水路・空路のインフラ整備が急ピッチで進められ、高度経済成長が加速。物流の発展と共に、日本は先進国の仲間入りを果たします。

また、同年に実施された経済審議会中期経済計画の中で、物的流通を「物流」と呼び始めるようになりました。

その後、自動車や高速道路の普及に伴って陸路での輸送が右肩上がりで伸び、時代は大量生産・大量販売・大量消費へ。

ところが、1973年(昭和48年)に起きた第4次中東戦争の影響で石油の価格が急騰し、世界全体でオイルショックと呼ばれる混乱が発生します。

このオイルショックを受けて、これまで伸び続けていた大口貨物の輸送量は大幅に減少。高度経済成長が終わり、物流企業各社も大きな打撃を受けることになります。この物流危機を乗り越えるために登場したのが、個人宅向けの小口配送サービスです。今や当たり前となった宅配便は、オイルショックが起因となって誕生したとされています。

【物流の歴史⑤】物流の混乱(1980〜1990年代)

政府が低金利政策を打ち出した1980年代は、地価や株価が泡のように膨れ上がるバブル経済の時代となりました。

バブル経済に伴って輸送量は増加したものの、トラックドライバーが建設業に流れてしまったこともあり、物流業界はトラック不足・人手不足が問題に。この影響により、専用貨物で輸送できなくなった荷主が小口配送用貨物を利用し始め、仕分け現場は大混乱に見舞われます。その結果、物流は停滞し、予定通りに商品が届かない等のトラブルが多発するようになりました。

【物流の歴史⑥】小口配送の増加(1990年代〜現代)

1990年代前半は膨れ上がった地価や株価が急落していき、およそ4年ほど続いたバブル経済が崩壊します。バブル崩壊によって物流現場の混乱は収束したものの、輸送量が減少し、トラックドライバーは溢れて、運賃も下落。

そんな新たな物流の危機を救ったのが、カタログ通販とテレビ通販です。バブル崩壊後、さまざまな業界が売上を落としていく中で、通販市場の売り上げは好調でした。

さらに追い風となったのが、インターネット接続機能が搭載されたOS「Microsoft Windows 95」の販売開始です。販売が開始された1995年以降、企業各社がインターネット通販事業に参入し始め、1997年には日本で初となるEC(電子商取引)モールがスタート。光ファイバー網の整備が進んだ1996年〜2000年はEC市場の黎明期だと言われています。

その後も、携帯電話・スマートフォンの普及、販売経路の多様化によって、個人宅への小口配送は増加し続け、国土交通省の「令和2年度宅配便取扱実績について」を見ると、2000年(平成12年)の宅配便取り扱い個数は25億7400万個であるのに対し、2020年(令和2年)は48億3647万個と、この20年間でおよそ2倍になったことがわかります。

【物流の歴史⑦】物流のこれから

物流のこれから

物流なくしては日本経済が成り立たないことから、「物流は日本経済の血液」と例えられていますが、実際、こうして物流の歴史を辿ってみると、物流が私たちの暮らしに与える影響はとても大きいものだとわかります。

2019年以降は、新型コロナウイルス感染症による外出自粛で小口配送はさらに増加し、コロナ禍でオンライン注文配達や置き配サービスといった新たな物流の形が登場しました。

今後は、ドライバーの高齢化や、2024年に全面適用される働き方改革関連法による影響(物流の2024年問題)でドライバーのさらなる人手不足が懸念されており、この問題を解決するために、IT・IoT技術を活用した取り組みである物流DXや、ムダ・ムラ・ムリのない効率的なロジスティクス、物流よりもさらに広義な流通全体の効率化を図るSCM(Supply Chain Management/サプライチェーンマネジメント)が重要視されています。

これらを実現する具体策として、在庫や配車計画などが管理できる物流管理システムや、人の代わりに仕分け・ピッキング・荷役を行ってくれる自動ロボット、物流機能を外部に委託する物流アウトソーシングといったものがあり、すでに多くの企業で導入が推し進められています。

なお、物流の2024年問題については「『物流の2024年問題』とは?おさえておきたいポイント・問題点・対策まとめ」で詳しく解説しています。

また、物流品質を向上させるための具体的な方法については「物流品質の目標設定とそのポイント|具体例や取り組み内容は?」でご紹介していますので、併せてご覧ください。

 

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