物流を効率化!マテハン機器が活躍する作業と導入するメリットとは? | 関根エンタープライズグループ
2023.07.19
マテハン機器は物流倉庫や製造工場、製造現場など、物の移動が関わる業種に欠かせない存在です。
そこで今回は、物流現場において、どのようなマテハン機器がどういった作業に使われているのか、具体的な作業内容とマテハン機器の種類についてご紹介します。
また、マテハン機器を導入するメリットや、注意すべきポイントについても解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
マテハン機器とは
マテハン機器とは、物を扱う作業を効率化するための機器全般を指し、具体的にはフォークリフトやハンディターミナル、パレット、台車などが該当します。
そもそもマテハンとは、「マテリアルハンドリング」の略称で、物流機能の一つである「荷役」と同じ意味になります。つまり、人の作業をサポートしたり、人に代わって作業をするのが、マテハン機器の役割だと言えるでしょう。
物流機能については「【物流とは何か?】物流の目的や機能・ロジスティクとの違いについて」で解説していますので、併せてご覧ください。
マテハン機器を使った作業内容
マテハン機器を使った作業は、荷物の積み込み・積み下ろし、運搬・搬送、仕分け、ピックアップ、流通加工、梱包・出荷準備と多岐にわたります。
それぞれの作業でどのようなマテハン機器が活用されているのか、作業内容と共に見ていきましょう。
荷物の積み込み・積み下ろし作業
荷物の積み込みや積み下ろし作業で使用する主なマテハン機器は、フォークリフトやパレタイザ、デパレタイザです。
フォークリフトとは、フォーク状になっている腕を荷物やパレットの下に差し込み、腕を上下させて荷物を積み込み・積み下ろしする荷役運搬車両です。人が運転するタイプの他に、自動運転システムを搭載したタイプも登場しています。
また、パレタイザとは荷物をパレットに積み付ける機械で、反対にパレットから積み下ろす時に使用する機械をデパレタイザと呼んでいます。
荷物の運搬・搬送作業
荷物の運搬・搬送作業で使用する主なマテハン機器は、台車やフォークリフト、コンベア、自動搬送ロボット、天井走行車です。
中小規模の物流倉庫では台車やフォークリフトを使って運搬・搬送作業を行うことが多いのですが、大規模な物流倉庫や物流センターでは移動距離があるためコンベアや自動搬送ロボット、天井走行車が使用される割合が高くなります。
運搬・搬送作業にマテハン機器を導入するメリットは、省力化と効率化が叶う点です。また、自動搬送ロボットや天井走行車を使えば、省人化も実現するでしょう。
商品の仕分け作業
商品の仕分け作業で使用する主なマテハン機器は、仕分けコンベアやソーター(自動仕分け機)です。
物流現場では、商品が入庫した時や、出荷する時に仕分け作業が実施されます。取り扱う商品数がそれほど多くない物流倉庫では手作業で仕分けするのが一般的ですが、大型の物流センターではマテハン機器の存在が欠かせません。
多くの物流センターで導入されているマテハン機器が仕分けコンベアです。ICタグを非接触で読み取ることができるRFIDや、商品の形・色・状態を自動判別するAIなどで、商品を自動で仕分けしていきます。
特に、仕分けコンベアの中でも経路途中で分岐点を持つタイプはソーター(自動仕分け機)と呼ばれています。
商品のピックアップ作業
商品をオーダー通りにピックアップする作業をピッキングといい、ピッキングで使用する主なマテハン機器は、ハンディターミナルやデジタルピッキングシステムです。
商品のピッキングは、商品番号や個数を正しく読んだり、商品がどの棚に格納されているのかを頭に入れたりと、物流倉庫の中でも人が持つスキルに左右されやすい作業です。そのため、規模の大きさを問わず、多くの物流倉庫でこれらのマテハン機器が導入されています。
一番手軽で便利なマテハン機器がハンディターミナルです。ハンディターミナルは、出荷指示書にあるバーコードを読み取ることで、格納されている棚の表示やピックアップした商品との照合、ラベルのプリントアウトができる機械となっています。
また、棚数が多い物流倉庫では、商品棚にデジタル表示器を取り付けたデジタルピッキングシステムを導入しているケースも多いです。商品がある場所を光で教えてくれ、ピックアップする個数も表示されます。
商品の流通加工・梱包作業
商品の流通加工及び梱包作業で使用される主なマテハン機器は、コンベア検針器や丁合機、シュリンクトンネルです。
流通加工とは商品を出荷する前に行う加工作業全般のことで、異物の混入を見つける検針や、贈答品用の詰め合わせ、同梱物のセット組み、包装などが該当します。
コンベア検針器とは検針作業で活用されているマテハン機器で、短時間で多量の検針が必要な現場で活用されています。
また、丁合機とは本などのページ合わせ(丁合い)で使用するマテハン機器なのですが、ECや通販需要の拡大に伴ってチラシやカタログといった同梱物のセット作業が増えたため、近年、物流現場でも取り入れられるようになりました。
同じく、EC需要の拡大によってメール便や小口配送が増えたことや、梱包材の値上げなどの影響から、商品を輸送時の衝撃から守りつつ、コンパクトな梱包が実現するシュリンク包装の出番が増えています。自動で包装・梱包をしてくれるシュリンクトンネルは、慢性的な人手不足と、タイトな配送スケジュールで悩むECサイト運営事業者にとって、メリットが多いマテハン機器だと言えるでしょう。
荷物の出荷作業
荷物の出荷作業で使用される主なマテハン機器は、自動製函機やラベラー、自動ラベル貼付機(オートラベラー)です。
物流倉庫や物流センターにおける出荷作業とは、商品を段ボールに詰めて送り状ラベルなどを貼り付けることを指します。特に顧客へ配送する場合は、自社内での輸配送と比べて、見た目の美しさにも配慮する必要があります。
自動製函機とは、段ボールを自動で組み立ててくれるマテハン機器で、組み立て前の段ボールをセットしておけば、全て組み立ててくれる全自動タイプと、人と協働して組み立てる半自動タイプがあります。
段ボールに商品を梱包した後は、送り状などのラベルを貼り付けますが、この時に活躍するのがラベラーです。ハンディーターミナルと連動してオーダーごとにプリントアウトされたラベルを人が貼り付けていくものや、自動ラベル貼付機(オートラベラー)といって貼り付け作業さえも自動で行ってくれるマテハン機器があります。
マテハン機器を導入するメリットと注意すべきポイント
マテハン機器を導入するメリットは、どのような点にあるのでしょうか。マテハン機器を取り入れる際の注意ポイントと共に、見ていきましょう。
メリット①:作業効率が上がる
マテハン機器を作業に導入するメリットは、作業効率が上がる点です。
物流倉庫内の作業効率を上げるには、
- ムダがない業務フローを計画する
- スタッフ間で経験や情報を共有する
- ヒューマンエラーの発生率を減らす
といった取り組みが有効ですが、マテハン機器はそれ自体が現場の課題を解決するだけでなく、マテハン機器の導入に向けた取り組みも含めて、作業効率アップに期待ができるのです。
と言うのも、マテハン機器を導入するには、作業内容を細やかに把握して、業務フローを明確にしなければなりません。また、ヒューマンエラーの発生率が高い作業は何で、生産性が低い作業は何で、それぞれにどれくらいの予算が充当できるのかなど、業務に優先順位をつける必要もあるでしょう。
逆に言えば、現場の課題を解決してくれないマテハン機器や、使いこなせないマテハン機器を導入してしまうと、作業効率が上がらないどころか、むしろコストの無駄遣いとなってしまいます。
ですので、マテハン機器を導入する時は、導入がゴールにならないように気をつけなければなりません。
メリット②:コストが削減できる
マテハン機器を作業に導入するメリットに、コストが削減できる点もあげられます。
マテハン機器の導入にはある程度のまとまった資金が必要になりますので、様々なメリットがあるとは理解していても、踏みとどまってしまう方は少なくありません。
この時、注目しておきたいのが失敗コストと生産性についてです。
失敗コストとは、何らかの作業ミスによって発生した負担のことで、例えば、ピッキングミスによって誤出荷があると、返品処理やクレーム対応、正しい商品の出荷作業など、通常の倍以上のコストが発生することになります。場合によっては、在庫に戻すことができず商品代を負担したり、賠償金の支払いが発生するケースもあるでしょう。
そのため、マテハン機器を導入する際は、直近の失敗コストを精査し、マテハン機器の導入によってどの程度まで改善が見込めるかを算出します。マテハン機器の導入コストと、導入後の見込み失敗コストを合わせた額が、従来かかっていた失敗コストや品質管理コストよりも低ければ、導入するコストメリットは多いにあると判断できるのではないでしょうか。
また、生産性についても同様に、マテハン機器導入前後での数値を検討しておく必要があります。
例えばチラシなどの同梱物のセット組みは、単純なようでかなり時間がかかる作業です。現在は何人のスタッフで何時間かけてこなしているのか、また、高いスキルを持つスタッフが辞めたり、新人スタッフが担当に入ったとしてもその生産性が維持し続けられるのかといった点も踏まえて、生産コストと導入コストを比較すると良いでしょう。
なお、物流現場の生産性を上げる取り組みについては「物流倉庫の作業を効率化! 生産性を上げるための5つの目標」で詳しくご紹介しています。
マテハン機器で作業効率アップとコストダウンを実現しよう
今回は、物流現場でマテハン機器を使用する作業とマテハン機器を導入するメリット、注意すべきポイントについてご紹介しました。
マテハン機器を導入したからと言って、必ずしも作業効率やコストダウンが実現するわけではありません。正直なところ、「導入したもののあまり使っていない」「故障したまま放置している」といった声があがっているのも事実です。
このような失敗を回避するには、業務フローや現場が抱える問題の可視化が必要です。加えて、マテハン機器導入後の保守サービスや故障対応についても比較しておくべきでしょう。
ちなみに、マテハン機器に興味はあるもののコストはなるべくかけたくないという方は、マテハン機器が導入されている3PLや物流アウトソーシングの利用がおすすめです。3PLや物流アウトソーシングを活用すれば、自社でリソースを持つことなく、生産性が高い物流機能を取り入れることが可能になります。
物流アウトソーシングの選び方については「物流アウトソーシングとは?メリット・デメリット・業者の選び方を解説」で詳しく解説していますので、参考にご覧ください。
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