安全在庫とは? 適正在庫との違いから安全在庫を保つメリット、計算方法までを解説 | 関根エンタープライズグループ
2022.11.23
どんな業者も欠品がでないよう、適正な在庫を管理していると思いますが、欠品を恐れて在庫を持ちすぎると次は余剰在庫に悩まされることに。
そんな在庫管理において、安全在庫を設定するのは大切なことです。今回の記事では、安全在庫がどういったものなのか、またメリットや計算方法についても紹介したいと思います。
在庫の管理や発注など、業務の効率化を図るためにもぜひ安全在庫の知識を深めておきましょう。
目次
安全在庫とは
安全在庫という言葉を聞いたことはありますか? 物流用語として、ぜひ知っておきたいキーワードです。 安全在庫とは、商品の欠品が出ない最低限必要な在庫のことを意味します。
季節や流行、セールなど時期やタイミングによって消費者の需要は日々変動します。 例えば、秋になるにつれて急に涼しくなったら突然アウターが売れ出したり、テレビで紹介された商品に多くのオーダーが入ったり。
そんな需要変動にも対応できるよう、在庫管理では欠品を防ぐために安全在庫を設定して保持することが必要なのです。
適正在庫との違い
安全在庫と似たキーワードに、「適正在庫」というものがあります。 意味も少し似ているので間違えそうになりますが、適正在庫は文字の通り、欠品もせず必要以上の在庫を抱えないよう適正な在庫数のこと。
安全在庫はあくまで欠品を出さないための在庫数であって、適正在庫を決める要素の一つと言えるでしょう。
安全在庫を保つメリット
安全在庫を定めて維持することで、実際に企業にはどういったメリットがあるのでしょうか。 ここでは、安全在庫を持つことのメリット3つご紹介したいと思います。
メリット1:余剰在庫を削減して無駄を減らす
欠品や品切れを恐れて過剰に在庫を確保していると、商品や製品を置いておくスペースや管理にも余分に費用が発生してきます。それだけでなく、在庫が多くなると整理に費やす時間も増え、人手も必要となり生産性が悪くなってしまう可能性も。
このような事態を防ぐためにも、最低限必要な安全在庫を設定しておくことは有効です。適正な在庫管理は、いろんな無駄を無くして業務を円滑にしてくれます。
メリット2:キャッシュフローの改善につながる
企業の経営において、資産ともいえる在庫の徹底管理はビジネスの基本です。 商品が売れると現金が入ってきて企業の財産となり、お金の流れが生まれます。しかし、商品が売れず長い間在庫を抱えていては現金の回収ができずにお金の流れが止まってしまい、キャッシュフローが悪化していきます。
安全在庫を設定し、維持することで余剰在庫に悩まされることもなくなるので、キャッシュフローの改善にもつながると言えるでしょう。
メリット3: 欠品による販売機会損失を防ぐ
安全在庫を確保しておくことのメリットは、なんといっても欠品や在庫切れを防いでくれること。 商品や製品が売れることで利益につながるのはもちろんですが、常に商品が買えることは消費者にとっても安心です。逆に欠品の機会が多いと、「欲しかったものが品切れで残念」、「この業者はいつも売り切れている」などと、お客様の信頼を失いかねません。
お客様の信頼度は長い目で見て利益の増減に大きな影響を与えるので、安全在庫の維持を保って販売機会を失わないようにしましょう。
安全在庫を設定する計算方法
「商品の在庫が足りなくなってしまうのが心配」、「在庫が倉庫にあふれている」など、企業にとって在庫に関する悩みはつきものです。
適切に在庫管理を行うためにも、ここでは安全在庫の計算方法をご紹介いたします。 安全在庫の設定の仕方がいまいち分からない…という方は、ぜひ参考にしてみてください。
安全在庫量は、以下の計算式で求めることができます。
安全在庫=安全係数×標準偏差×√(発注リードタイム+発注間隔)
この計算式で算出するためには、「安全在庫係数」、「標準偏差」、「発注リードタイム」「発注間隔」を設定する必要があります。 それぞれがどういったものなのか、項目ごとに見ていきましょう。
安全係数
安全係数とは、欠品を許容できる割合に対する数値を指します。 たとえば、欠品率許容率が5%の場合は100回のうち、5回は欠品しても許せるという意味になります。 安全係数は、以下のように欠品許容率から置き換えて設定します。
【安全係数の早見表】
欠品許容率 | 安全係数 |
---|---|
0.1% | 3.10 |
1% | 2.33 |
2% | 2.06 |
5% | 1.65 |
10% | 1.29 |
20% | 0.85 |
30% | 0.53 |
また、安全係数をExcelで算出する場合は、「NORMSINV」の関数を使用します。
標準偏差
安全在庫を設定するとき、需要の変動も考慮しなければいけませんが、正確なデータを出すのは難しいもの。 そこで、過去の在庫出庫数(使用・出荷・販売)のデータに、どのくらいのばらつきがあるのかを調べ、それを標準偏差として数値で表します。
標準偏差はExcelの関数、「STDEV」を使うことで簡単に算出することができます。 なるべく多くのデ―タを集めて参考にすることで、より現実に近い数値を設定しやすくなるでしょう。
√(発注リードタイム+発注間隔)
計算式のなかに「√(発注リードタイム+発注間隔)」というものがありましたが、発注リードタイムとは、仕入れ先に発注をしてから納品されるまでの日数を指します。
また、発注間隔とは仕入先へ1度発注してから次に発注するまでの期間をいいます。
この発注リードタイムと発注間隔の√(ルート:平方根)は、Excelの「SQRT」関数で求めることができます。
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