物流の流れや業務フローはどうなっている?知っておきたい仕組みや機能 | 関根エンタープライズグループ
2023.02.01
物流とは、読んで字のごとく「物の流れ」に伴う一連のプロセスを指します。
物流の業務は多岐にわたりますので、例えば「物流サービスを依頼したいが、物流とはそもそもどのような流れになっているのか?」「どのような業務が任せられるのか?」と疑問を持たれている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、物流の基本的な流れから、流通センターにおける業務の流れ(業務フロー)まで、物流が持つ「流れ」に着目してご紹介していきます。また、物流の仕組みや機能についても解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
物流の基本的な流れと6つの機能
まずはじめに、物流の基本的な流れを見ていきましょう。
そもそも物流とは「物的流通」の略称で、供給者から消費者へとモノが流れる活動のことです。
主にメーカー・サプライヤー・卸業者といった供給者から、商品の輸送・保管・配送を担う流通センターを経て消費者の元にモノが流れていきます。
- 供給者(メーカー・サプライヤー・卸業者など)
- 流通センター(輸送・保管・配送)
- 消費者(企業・小売店・エンドユーザーなど)
例えば物流で流れるモノが材料の場合、供給者はサプライヤー(材料や素材の提供者)、消費者は部品メーカーとなります。そして、完成した部品を出荷する際には、消費者だった部品メーカーが今度は供給者となり、組立メーカーや組立工場が消費者ということになります。
【供給者から消費者への流れ 一例】
- 1.サプライヤー→部品メーカー
- 2.部品メーカー→組立メーカー
- 3.組立メーカー→卸業者
- 4.卸業者→小売店・販売代理店
- 5.小売店・販売代理店→エンドユーザー
このように、材料の調達〜エンドユーザーへの配送までに様々な工程があり、それらが鎖のように繋がっていることから、「サプライチェーン(Supply:供給+Chain:鎖)」と呼ぶこともあります。
物流が持つ6つの機能
複雑な物流の流れを成立させているのが、下記の6つの機能です。
- 輸送:荷物を運ぶ機能
- 保管:荷物を保管する機能
- 荷役:荷物を扱う機能
- 包装:荷物を守る機能
- 流通加工:荷物を加工する機能
- 情報:荷物の情報を管理する機能
一昔前までは「輸送・保管・荷役・包装・流通加工」の5つを総称して「流通5大機能」と呼ばれていましたが、EC(電子商取引)や物流管理システムの登場によって新たに6つ目の機能「情報」が加わりました。
物流の機能と品質については「物流品質の基礎知識!品質向上への取り組みや管理方法について解説」で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
物流の仕組みとビジネスモデル
次に、物流の仕組みについて詳しく見ていきましょう。
物流は「出荷から配送」までの一連の流れを指しますが、その中でも核となる役割を担っているのが流通センターです。
流通センターとはいわゆる物流倉庫のことで、大きく3つの種類が存在します。
【流通センターの種類】
- DC(ディストリビューションセンター)
- PDC(プロセスディストリビューションセンター)
- TC(トランスファーセンター)
DC(ディストリビューションセンター)は大型の在庫型物流センターのことで、一般的に物流倉庫と聞いてイメージする施設です。商品の保管・管理・ピッキング・出荷が主な役割となっています。
PDC(プロセスディストリビューションセンター)は流通加工に特化した在庫型センターで、食品加工や部品組立、梱包、検品・検査などが主な役割となっています。
TC(トランスファーセンター)は通過型センターのことで、仕分けと配送が主な役割となっています。商品の長期的な保管は想定しておらず、配送拠点となる施設です。
この他にも、近年ではFC(フルフィルメントセンター)といって、ECサイト特化型の物流倉庫も存在します。「フルフィルメント(fulfillment)」とは、ECサイトやテレビショッピングなどの実店舗を介さない購買活動の一連の流れ(在庫管理・注文・決済・物流・アフターフォロー)のことで、FC(フルフィルメントセンター)はそれら一連の流れをすべてまかなっている施設となっています。
物流の主流なビジネスモデル「3PL」とは
物流の流れや仕組みを知る上で欠かせないのが、現在の物流を支えるビジネスモデル「3PL」です。
3PLとは「サード・パーティー・ロジスティクス(3rd Party Logistics)」のことで、日本語では「物流一括受託」と訳されます。簡単に言えば、物流に関する業務をすべて外部へ委託する仕組みのことです。
前述している通り、物流は様々な機能と役割が鎖のように繋がって一連の流れを生み出しているのですが、メーカーなどの供給者が自社ですべてまかなおうとすると、多大なリソースが必要となります。
この3PLという仕組みによって、物流に関する一連の流れをまるごと外部へ委託できるようになり、メーカーやサプライヤーの負担軽減に繋がりました。
ここからさらに派生し、必要な物流業務を必要な時だけ利用できる「物流アウトソーシング」というサービスも普及しています。
物流アウトソーシングについては「物流アウトソーシングとは?メリット・デメリット・業者の選び方を解説」で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
入荷から配送までの具体的な物流の流れ
具体的に、入荷から配送までのどのような流れを辿っていくのでしょうか?
一般的には、下記のような流れで供給者から消費者へとモノが渡っていきます。
【入荷から配送までの流れ】
①:輸送・入荷
②:入庫・保管
③:出荷(検品・ピッキング・梱包・流通加工)
④:配送
それでは、各工程の機能と役割について詳しく見ていきましょう。
流れ①:輸送・入荷
サプライヤーやメーカーから流通センターへ移動することを「輸送」と言います。主に長距離移動を伴うことや、一度に大量の荷物を運ぶことが多く、一次輸送とも呼ばれています。
移動手段はトラックや鉄道、航空機、船舶などがありますが、この内トラックやバンといった貨物自動車で輸送する方法を運送と呼びます。
供給者の元から到着した荷物がDC(ディストリビューションセンター)やPDC(プロセスディストリビューションセンター)に到着することを入荷といい、入荷時には、荷物の内容物や数量が発注書と相違ないか、また、輸送時に破損していないか等を確認する入荷検品が実施されます。
流れ②:入庫・保管
入荷検品が終わったら、倉庫内に商品を格納していきます。この作業を入庫と呼び、間違いがないように慎重に行っていきます。ここでミスが発生してしまうと、在庫数が合わなくなったり、商品が破損・腐敗してしまったりと、重大な事故に繋がる恐れがあります。
入庫後は商品が出荷されるまで倉庫内で保管されます。商品の品質を維持しながら、供給者と消費者の時間的な差を埋めることが保管の重要な役割です。
流れ③:出荷(ピッキング・検品・梱包・流通加工)
消費者から注文が入ると、出荷の準備を進めていきます。
出荷とは商品を発送するまでの一連の流れのことで、ピッキング・検品・梱包・流通加工・発送の業務が含まれます。
そして、保管場所から商品を選ぶピッキング作業で、出荷指示書に書かれている通りに商品を集められ、ピッキングされた商品は必要に応じて流通加工にかけられます。
流通加工は小分け包装や値札付けなどの二次加工のことで、例えば、魚や肉といった生鮮食品を食べやすい大きさにカットしてパックに詰めたり、お中元やお歳暮といったギフトセットを準備したり、アパレル商品に値札やタグを付けたりといった、商品に付加価値をかけるすべての加工を指します。作業内容によっては、検品や梱包作業も流通加工に含まれるケースがあります。
そして、商品の品番と数量に相違がないか?破損・腐敗・異物混入がないか?などの検品作業を終えたら、出荷の最終作業である梱包に移ります。
流れ④:配送
梱包を終えた商品は、配送拠点であるTC(トランスファーセンター)へ移動し、消費者の元へ配送されます。
配送とは単にモノを動かすだけでなく、複数の場所へ配り届けることが役割です。
ちなみに、供給者から流通センターへの移動を「一次輸送」と呼ぶのに対して、流通センターから消費者への移動となる配送は「二次輸送」とも呼ばれています。
システムやアウトソーシングで物流の流れをシームレスに
今回は、物流の流れと仕組みについてご紹介しました。
EC(電子商取引)市場の発展は、良くも悪くも物流の流れに大きな影響を及ぼしています。加えて、労働力の不足や輸出入の制限、HACCP(ハサップ)に沿った衛生管理の義務化など、物流業界は様々な課題に直面していると言えるでしょう。
このような現状を打開する施策として、国土交通省の「総合物流施策大綱(2021年度〜2025年度)」には、デジタル技術を駆使して物流の流れや働き方を革新していく「物流DXの推進」が盛り込まれています。
今後は中小を含む物流業界全体で、物流管理システムや物流アウトソーシングといった物流を支えるサービスを導入して、シームレス(継ぎ目がない)な物流の流れを作ることが重要となります。
全国で総合物流サービスを提供する関根エンタープライズグループ
私たち関根エンタープライズグループは、各サービスに専門特化した6社の会社で構成され、幹線輸送をはじめ、ユニック輸送・共同配送など、あらゆる輸送形態に対応する総合物流会社です。
埼玉と大阪に物流倉庫を有しているほか、全国各地に拠点を保有。
お客様満足度日本一を目指し、お客様のニーズにお応えできるサービスを提供しています。
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