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ロジスティクスと物流の違いは?それぞれの目的や役割について | 関根エンタープライズグループ

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2023.03.08

ロジスティクスと物流の違いは?それぞれの目的や役割について

物流をロジスティクスと呼ぶ人が増えたり、「○○ロジスティクス」のような物流企業が増えていることから、物流とロジスティクスは同じ意味だという認識を持たれている方が少なくありません。

しかし、物流とロジスティクスは本来違う意味を持つ言葉のため、特に物流業界に従事している方はその違いについて理解しておきたいところです。

そこで今回は、物流とロジスティクスの違いについて詳しく解説していきます。また、自社の物流でロジスティクスを推進していく方法についてもご紹介していきますので、「物流とロジスティクスの違いをはっきりさせたい」「ロジスティクスについて興味はあるが、よくわからない」という方は、ぜひ最後までご覧ください。

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物流とロジスティクスの違いとは?

物流とロジスティクスには、どのような違いがあるのでしょうか。

物流を和英辞書で引くと「physical distribution(物質の流通)」や「materials flow(原料や材料の流れ)」といった言葉が出ます。つまり、物流とは物質がA地点からB地点へと移動する様子を指す言葉となります。

対してロジスティクス(logistics)を英和辞書で引くと「兵站(へいたん)学」「物流管理」「物流」「流通」といった日本語として訳されます。

兵站とは、戦争時に前線に立つ兵士を後方でサポートする活動のことで、作戦の計画や物資の配給、整備、衛生管理、施設の維持などが含まれます。つまり、ロジスティクスはもともと軍事用語として使われていた言葉で、現代では、特に物流分野における管理や仕組みについてを指す言葉として使われています。

これらを踏まえた上で、さらに具体的に物流とロジスティクスの違いについて見ていきましょう。

物流とロジスティクス①:定義や含まれる活動の違い

物流とロジスティクスが持つ、定義や活動範囲の違いについてご紹介します。

前述した通り、物流の定義は物質の地理的な移動を指しますが、「物を運ぶ」だけであった昔の物流に比べて、現代の物流は品質の維持やスピーディーな納品などの付加価値が求められるようになりました。

そのため、物流に付随する加工・包装・梱包・品質管理といった工程も物流の活動範囲に含まれています。

次にロジスティクスですが、定義は物流に関する全般の管理となります。活動範囲は業務管理の他にも、環境対策や設備管理、従業員の健康管理など、物流の経営に必要な全ての要素をカバーしています。

なお、物流の基本的な仕組みや業務フローについては「物流の「流れ」とは?基本的な流れ・仕組み・業務フローの基礎知識」で解説していますので、ぜひ参考にご覧ください。

物流とロジスティクス②:目的の違い

次に、物流とロジスティクスが持つ目的の違いについて見ていきます。

物流の目的は、時間と場所のギャップを埋めることです。

そもそも物流を含む流通の全ては、生産と需要のギャップを埋めるために機能しています。生産されたばかりの商品がすぐに消費されるとは限りませんし、すぐに消費したいと思っても生産者と消費者の距離が離れているケースもあります。

そのため、物流は商品の品質を維持しながら、また必要に応じて加工を施しながら、生産と需要の間にある時間的・場所的なギャップを埋めています。

対してロジスティクスの目的は、物流を効率化して、競争優位性を確立することです。

競争優位性とは、ライバル企業より有利な立場になる状態や状況を指します。例えば、配送ミスがほとんどないA社と、よくミスをするB社では、ミスがほとんどないA社を選ぶ人が多いでしょう。

つまり、送り手と受け手から「この会社なら安心だ」「この会社を使って欲しい」と思わせることがロジスティクスの目的であり、そのために物流管理システムなどを使って業務の平準化や情報共有を行っていきます。

物流とロジスティクス③:役割の違い

次に、物流とロジスティクスの役割の違いについて見ていきましょう。

物流の役割

物流の役割は、物流機能を十分に発揮して、生産性を向上させることです。

物流は、輸送・保管・荷役・包装・流通加工・情報の6つの機能で成り立っています。

そして、物流の生産性を向上させるには、各工程にある「ムダ・ムラ・ムリ(3ム、3M、ダラリとも言う)」をどれだけ抑えられるかにかかっています。

物流におけるムダとは、投入できる能力に対して作業負荷が下回っている状態を指します。例えば、荷待ちや作業待ち、過剰在庫、業務の属人化などが該当します。

反対に、投入できる能力に対して作業負荷が上回っている状態をムリと呼んでいます。簡単に言うと、人手不足な状態を指します。

そして、ムダとムリが混在している状態がムラとなります。例えば、荷待ちのドライバーがいるにもかかわらず配送が追いつかない状態や、検品スタッフの数は足りているはずなのに見落としや見間違いが頻発しているといった状態が該当します。

物流は、たとえ検品が完璧であっても荷役に問題があれば品質が低下しますし、その逆も言えます。そのため、各機能がそれぞれの役割をしっかり果たすことが重要なのです。

物流の効率化については「物流倉庫の作業を効率化! 生産性を上げるための5つの目標」で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。

ロジスティクスの役割

ロジスティクスの役割は、情報を一元管理して、情物一致(じょうぶついっち)を目指すことです。

情物一致とは、情報と物の流れが一致している状態を指します。

物流の現場では、

  • データと実際の商品が違う
  • データにはない商品が置いてある
  • 検品をし終えたはずの商品が残っている

というような、情報と物の流れが一致していない状態が起きやすいものです。

これらのミスは、現場での運用ルールがきちんと決まっていない・周知されていない・守られていないといったヒューマンエラーによって発生しているケースがほとんどで、これらを事前に防ぐのがロジスティクスの役割です。

物流管理システムなどを活用して情報を一元管理することで、物の流れと同時に情報も移動するようになります。

物流の現場でロジスティクスを推進する方法

物流の現場でロジスティクスを推進する方法

ネットで商品を購入すると、商品は今どこにあって、どのような状態になっているかというのが一目でわかるようになりましたが、このようなトラッキングシステムもロジスティクスの有効な手段として開発されたものです。

情報共有や迅速な配送などの高い付加価値が当たり前になった今、生き残りを図るためにはロジスティクスの推進が欠かせない状況だと言えるでしょう。

そこで最後に、物流現場でロジスティクスを推進していく方法についてご紹介していきます。

方法①:自社で物流管理システムを導入する

物流の現場でロジスティクスを推進する方法の一つ目が、自社で物流管理システムを導入するという方法です。

物流管理システムには、配送管理システム(TMS)や在庫管理システム(WMS)、運送管理システム、ピッキングシステムといった種類があり、また、ソフトの導入が不要なクラウドタイプや、自社で運用するオンプレミスタイプなどの提供形態から自社にあったものを選ぶことができます。

なお、物流管理システムを選ぶ際は、

  • どの業務範囲をシステム化したいか
  • 従業員が扱いやすいシステムか

といった点を考慮すると、失敗が回避できるでしょう。

自社で判断がつかない・導入方法がわからないという場合は、物流マネジメントの専門家に相談してみるのもおすすめです。

方法②:物流アウトソーシングを利用する

物流現場でロジスティクスを推進する方法の二つ目が、物流アウトソーシングを利用するという方法です。

物流アウトソーシングとは、物流機能を外部の業者へ委託することです。

メリットとしては、自社で物流管理システムを運用する必要がない点と、欲しい機能だけを欲しいタイミングで補充できる点です。

そのため、「ECサイトの注文が増えて、自社での物流業務や管理が難しくなった。ただ、社内のリソースを使って物流管理システムを導入するほどではない……」という方や、「物流管理システムに興味はあるが、社内で使いこなせる人材がいないし、そこまで手が回っていない。」という企業に向いていると言えるでしょう。

物流アウトソーシングは、自社の物流にロジスティクスが導入できるだけでなく、人手不足の解消や固定費の削減などのメリットがあります。

詳しくは「物流アウトソーシングとは?メリット・デメリット・業者の選び方を解説」で解説していますので併せてご覧ください。

物流とロジスティクスの違いを理解して業務改善に役立てよう

今回は物流とロジスティクスの違いについて詳しくご紹介しました。

物流をロジスティクスと呼ぶ人や、ロジスティクスと名のつく企業が増えているということは、それだけロジスティクスが物流現場にとって欠かせないものであるという証でもあります。

物流とロジスティクスの違いを理解して、日々の業務改善に役立てていきたいところです。

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