【物流倉庫】ピッキングの種類は?作業を効率化する方法も | 関根エンタープライズグループ
2023.05.10
今回は、物流倉庫におけるピッキングの基礎知識や、数あるピッキングの種類の中から近年主流となっている方式をご紹介していきます。
また、ピッキング作業を効率化する機器やシステムについても解説していますので、「物流倉庫でのピッキングって何をするの?」という疑問を持たれている方から、「作業を効率化する事例や仕組みが知りたい!」という管理者・運営者の方まで、ぜひ参考にご覧ください。
目次
【物流倉庫】ピッキングの基礎知識
物流倉庫におけるピッキングとは、倉庫内にある商品をオーダー通りに集める作業のことを指します。
一般的な作業内容ですが、まずはピッキングリストや注文書をもとに倉庫内から商品を探し、指示通りの個数をカゴなどに入れていきます。次に、ピックアップした商品をオーダーごとにまとめて、その後の検品チームや梱包チームに渡すという流れになっています。
ピッキング作業は、バーコードやタグを活用した方法が主流ではありますが、リストを見ながら手作業で品出ししていく物流倉庫もあれば、自動搬送ロボットやレーンなどで完全に自動化されている物流倉庫もあります。
「手作業だから大変、自動だから楽で効率的」というわけではなく、物流倉庫の規模や取り扱っている商品、商品数、オーダー数によって適したピッキング設備・ピッキング方式を選択することが大切です。
なお、物流倉庫の業務については「物流倉庫の業務とは? 一連の流れとともに役割や特徴を紹介」で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
【物流倉庫】主流なピッキングの種類とその特徴
物流倉庫におけるピッキング作業には、どのような種類があるのでしょうか。
ここでは、ピッキングの種類の中でも、近年主流となっている方式を4つ、その特徴と共にご紹介していきます。
方式①:シングルピッキング(摘み取り方式)
シングルピッキングとはオーダーごとに棚から商品を集めるピッキング方式です。商品を集めていく作業が畑の野菜を摘み取っていく様子に似ていることから、摘み取り方式とも呼ばれています。
シングルピッキングは、注文が入ったらすぐに作業が始められるというメリットがありますが、物流倉庫の規模が大きかったり、取扱商品数が多いと、商品を探す時間や移動する時間がかかるというデメリットを持ち合わせています。
そのため、取扱商品数が少なく、規模が小さな物流倉庫に向いているピッキング方式だと言えるでしょう。
方式②:トータルピッキング(アソート方式/種まき方式)
トータルピッキングとは、あらかじめ複数の商品をまとめてからオーダーごとに仕分けしていくピッキング方式で、アソート方式ともいいます。また、商品を振り分けていく作業が畑に種をまく様子に似ていることから、種まき方式とも呼ばれています。
トータルピッキングは、商品を探す時間や物流倉庫内を移動する時間が短縮できるというメリットがありますが、一方で、仕分け作業用のスペースを確保する必要があったり、複数のオーダーがないと作業の効率化が期待できないというデメリットがあります。また、商品が大きかったり、重かったりする場合も、トータルピッキングは不向きです。
そのため、出荷オーダーが一定数あり、一人で持ち運べる程度の大きさ・軽さを扱っている規模の大きな物流倉庫に向いていると言えるでしょう。
方式③:マルチオーダーピッキング
マルチオーダーピッキングとは、シングルピッキングと同じくオーダーごとに商品を集めていくのですが、シングルピッキングと違って一度に複数のオーダーを扱います。オーダーごとに商品を分けるため、通常4〜8個ほどのカゴがセットされているピッキングカードを使います。
マルチオーダーピッキングは、倉庫内を往復する回数が軽減できるというメリットがある反面、商品を入れるカゴを間違えやすいというデメリットがあります。
そのため、物流倉庫とオーダー数にあったピッキングカート及び管理システムの導入が、効率化を図るための重要なポイントだと言えるでしょう。
方式④:定点ピッキング
定点ピッキングとは、作業者が商品を集めてくるのではなく、GTP(Goods To Person)という商品搬送ロボットが作業者のもとへ商品もしくは商品棚を運んでくれるピッキング方式です。
定点ピッキングは、作業者が物流倉庫内を動き回る必要がないため、体力的なハードルが低くなります。また、これまでのピッキング方式と違って、物流倉庫内に作業者が移動するスペースを確保する必要がありません。
しかし、導入時に物流倉庫内のレイアウトやオペレーションを大幅に変更する必要があり、さらに、物流倉庫に一定の規模とオーダー数がなければコスト削減や効率化に繋がらないという側面もあります。
そのため、オーダー数が多く、規模が大きな物流倉庫に向いていると言えるでしょう。
【物流倉庫】ピッキングを効率化する方法
本来、物流倉庫におけるピッキング作業は大変手間がかかるものです。
スピードを重視すると、ピックアップする商品を間違えたり、個数を間違えたり、カゴを間違えたりといったミスが発生しやすく、また、作業者によって作業にバラつきが出やすいのも、ピッキングの課題でした。
このような、ピッキング作業が抱える課題を解決するために、デジタル技術やIoT技術を活用したピッキングサポートシステムが登場しています。
ここでは、効率化の最もオーソドックスな方法であるデジタルピッキングやハンディターミナルの他、導入数が増えているタブレットピッキング、電波を活用したRFIDについてご紹介していきます。
効率化①:デジタルピッキング
デジタルピッキングとは、商品棚に取り付けられたデジタル表示器が光って商品の居場所を知らせてくれ、必要な個数を表示してくれるシステムです。
シングルピッキングとトータルピッキングを導入している物流倉庫向けに開発されたシステムで、それぞれデジタルピッキングシステム(DPS)とデジタルアソートシステム(DAS)と呼び分けられています。
デジタルピッキングのメリットは、ピッキングリストや仕分けリストを見ながら作業する必要がなくなるため、作業効率が格段にアップする点があげられるでしょう。つまり、デジタルピッキングを採用することで、商品の選び間違いや読み間違いが防止できる他、伝票の消し込み作業も不要になります。
効率化②:ハンディターミナル
ハンディターミナルとは、片手で持てるハンディサイズの情報収集端末のことで、2次元バーコードやQRコードを読み取って商品の情報を管理します。
ハンディターミナルには、商品の居場所やオーダーの出荷指示、処理状況、賞味期限など、商品に付随する様々な情報を管理する機能が搭載されています。そのため、ピッキング作業だけでなく、入出庫管理や在庫管理、棚卸しなど、物流倉庫内におけるあらゆる作業に対応しているのが特徴です。
ハンディターミナルをピッキングに導入するメリットは、作業時間の短縮です。
例えば、オーダー数や商品数が多いと「どこまで作業したっけ?」と混乱するシーンが度々発生しますし、商品番号や数量の読み間違い、確認漏れなどのミスもよくあるケースです。
このような場合、ハンディターミナルを導入すれば、作業ミスが回避できる上、経験が浅い作業者でも、簡単にピッキング作業ができるようになります。
効率化③:タブレットピッキング
タブレットピッキングとは、商品の情報収集及び管理をタブレットやスマートフォンで行うピッキングシステムのことです。ハンディターミナルと違って、商品棚の場所や商品の外観を鮮明な画像で確認でき、またハンディターミナルに比べて導入費用が半分程度に抑えられるのがタブレットピッキングの持つ特徴です。
ハンディターミナルと同様に作業時間の効率化や作業の平準化に貢献する一方で、進化が早い分野ということもあり、買い換えサイクルが短いといったデメリットがあります。
例えば、私たちがスマートフォンを買い換える際、多くの人は今持っている機種より新しいものを選ぶでしょう。タブレットピッキングシステムも同様で、長い期間をかけて機器を買い揃えていこうと思っても、同一機種が入手できない可能性があります。
とは言え、暗い場所でも画面がハッキリと見えたり、扱い慣れている人が多いといった点でメリットが多いシステムだと言えるでしょう。
効率化④:RFID
RFIDとは、「Radio Frequency Identification」の略称で、電波を用いた非接触読み書きシステムのことです。ハンディターミナルのようなバーコードを活用したシステムは、1商品ずつスキャンが必要なのですが、RFIDの場合、商品が電波が届く範囲内にあれば、一度に複数のバーコードが読み込める他、手が届かない場所にあるバーコードを読み込むことも可能となります。
そのため、天井高がある物流倉庫や、一度に多量の商品を出荷する必要がある物流倉庫に向いているシステムだと言えるでしょう。
また、RFIDはハンディターミナルのように単体での活用もできますが、例えばピッキングカートや物流ロボットに取り付けるなど、他の設備や装置とドッキングして使われることが多く、倉庫内のオートメーション化になくてはならない技術となっています。
物流倉庫の効率化は物流全体の生産性アップに直結!
今回は、物流倉庫内におけるピッキング方式と、ピッキング作業を効率化する方法についてご紹介しました。
物流倉庫の効率化は、物流全体の生産性アップに直結します。つまり、今回ご紹介したような「ピッキングはピッキングで解決する」という考えも大切なのですが、流通加工や梱包など、他の機能やチームとの連携も重要なのです。
そのため、物流倉庫内は円滑なコミュニケーションが取れる環境か?倉庫内のルールやリーダーからの指示が統一されているか?といった部分にも、改善の余地があると言えるでしょう。
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