倉庫費用の仕組みは?費用相場と物流サービスの比較方法について | 関根エンタープライズグループ
2023.05.31
製造業や販売業にとって、物品を保管しておく倉庫は欠かすことのできない存在ですが、
- 「自社の倉庫ではスペースが足りなくなった」
- 「物量が増えて自社のリソースでは現場がまわらなくなった」
- 「ネット通販の事業展開に向けて物流倉庫が必要になった」
と、倉庫のレンタルや、物流業務の外部委託で悩んでおられる方も多いでしょう。
そこで今回は、倉庫及び倉庫業務を外部に委託する際の費用について解説します。倉庫費用の仕組みや費用相場、比較方法についてもご紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
倉庫費用の仕組みと含まれる料金
「倉庫だけを借りて、物流業務は自社でまかないたい」ということであれば、貸倉庫やトランクルームを利用するのが手っ取り早く、また、かかる費用もシンプルです。
しかし、物品の入庫・保管・出荷と、それに伴う検品・流通加工・保管といった倉庫業務も依頼したいということであれば、ただ倉庫を借りるだけでは成立しませんので、物流アウトソーシングを利用する流れになります。
物流アウトソーシングとは、物流業務の一部または全部を外部の事業者に委託するビジネスモデルで、自社で物流に関するリソース(人・施設・設備など)を持たずに物流業務が可能になるため、人材やお金をコアな業務に集中させることができると注目されています。
一方で、「費用やシステムがよくわからない」「どうやって費用を比較すれば良いかわからない」と、特にこれまで自社で物流業務を持っていなかった事業者の皆さんにとっては、分かりづらいものかと思います。
そこで、物流倉庫を利用する際にかかる費用の仕組みと、費用に含まれる料金について見ていきましょう。
物流アウトソーシングについては「物流アウトソーシングとは?メリット・デメリット・業者の選び方を解説」でご紹介していますので、併せてご覧ください。
倉庫費用の仕組みとサービス内容
倉庫利用時に発生する費用は、サービス内容によって変動があります。と言うのも、利用事業者によって必要な業務が異なるため、幅広いニーズに合わせたサービスやプランが倉庫事業者各社で用意されているからです。
例えば私たち関根エンタープライズグループは、倉庫業だけでなく物流業務全般のアウトソーシングを提供しているため、当社倉庫にて入出庫作業から倉庫保管、在庫管理、流通加工までをワンストップでお任せいただけるほか、幹線輸送・ユニック輸送・共同配送といった輸配送業務までご依頼いただけます。
つまり、「倉庫費用=賃料」というわけでなく、様々な業務が含まれた費用だと思って良いでしょう。
倉庫費用に含まれる料金
倉庫費用はサービス内容によって変動するものの、基本的には下記の料金が含まれます。
- 基本料(システム利用料)
- 倉庫保管料
- 業務管理料
- 人件費
- 共益費
- デバンニング料
- 水道光熱費
- その他変動費(入庫費用・出庫費用・梱包費用など)
基本料とは倉庫を利用する際にかかる最低限の料金のことですが、最近では倉庫管理システム(WMS)などの物流システムの使用がセットになっているサービスが多いため、システム利用料と呼ばれるケースがあります。
また倉庫保管料は利用するスペース代、業務管理料は業務に付随する事務手数料を指します。なお、これらの費用は、基本料やシステム利用料に含んで計上されることもあります。
デバンニング料については、「物流用語でよく聞く「デバンニング」や「バンニング」とは?」や「物流倉庫の料金って? デバンニングの費用の相場は?」で詳しくご紹介していますので、そちらをご覧ください。
倉庫の費用相場は?サービスの比較方法
それでは次に、倉庫サービスの比較方法と、費用相場についてご紹介していきます。
①:固定費と変動費の費用相場で比較する
物流倉庫の費用は、先ほどお伝えした通り基本料(システム利用料)や倉庫保管料などが含まれているのですが、これらの費用は大まかに固定費と変動費で分けることができます。
- 固定費:基本料(システム利用料)、倉庫保管料、業務管理料
- 変動費:入出庫費用、ピッキング費用、検品費用、梱包費用、デバンニング料など
つまり、総支払額は固定費と変動費を合算したものとなっています。
固定費と変動費が各社とも共通していれば比較しやすいのですが、物流機能を持ち合わせた倉庫の提供形態には、出入庫などの倉庫業務が全て含まれている定額制と、自由に業務を組み合わせることができるカスタム制の2パターンが存在します。
前者の定額制は固定費・変動費が全て含まれた料金になる一方で、後者のカスタム制は、固定費に関しては毎月決まった金額になるものの、変動費は月によって変わるケースが多いのが特徴です。定額制は物量や業務量が毎月平均している事業者に、カスタム制は繁忙期と閑散期で差が開きやすい事業者に向いていると言えるでしょう。
定額制・カスタム制のどちらを選択するにせよ、費用比較するためには各業務に発生する費用の目安相場を把握しておきたいところです。
費用相場については、基本料(システム利用料)が2〜8万円、業務管理料が1~5万円、入庫費用が1個あたり10~30円、梱包・流通加工料が1個あたり150~300円となっています。
その他の費用については「物流倉庫の費用って? 利用にかかる物流料金の相場は?」でご紹介していますので、併せてご覧ください。
②:坪単価の費用相場で比較する
倉庫の費用相場は立地や建物の構造、用途地域※によって差が出やすいため、比較するのが難しいもの。そこでおすすめなのが、坪単価を目安に比較するという方法です。
坪単価とは、倉庫を建てる際に1坪あたりどれくらいの費用がかかったかを表す数値で、一般的には建築費のトータル費用を延べ床面積で割って算出されます。
倉庫の売り物件を扱う物件情報サイトなどを見ていただくと、立地ごとのおおよその坪単価が把握可能ですが、国土交通省の建築着工統計調査(2021年)によると、倉庫の坪単価は全国平均で約43万円と報告されています。この内、最も水準が高かったのが奈良県で約134万円、最も低かったのが福島県で約32万円となっていました。
このように坪単価は倉庫の費用相場を算出するのに役立つ数値ではありますが、「基準が統一化されていない」という点だけ留意する必要があります。というのも、建築費のトータル費用に含まれる料金は、担当した業者・施工内容・建築資材などによって異なるからです。
また、通常は延べ床面積に含めない地下室や車庫などを含めた面積で算出されるケースも考えられるでしょう。
加えて、坪単価は施設の賃料を坪数で割った際にも使用されます。売り物件と貸倉庫で坪単価が異なるのはこのためです。
上記のことから、坪単価はあくまで目安相場であることを念頭に置いて、費用比較に活用してください。
※用途地域:住居・商業・工業などの用途別に、都市を13の種類で分けたもの。都市計画法の地域地区の一つ。
③:費用対効果で比較する
費やしたコストに対して、それくらいの効果が得られたか?を意味する費用対効果は、サービス利用料金だけでは比較することができません。
そのため、実績やスキル、品質管理能力、安全管理能力、サポート体制などを総合的に見て判断する必要があります。実際に足を運んでみて倉庫内や業務フローを確認したり、対応事例を確認させてもらうなどして、念入りに調査したいところです。
例えば、「PPM」という数値は物流品質をはかる指標となりますので、現地調査に行く前に、知識として入れておくと良いでしょう。
PPMについては「物流品質の指標「PPM」とは?基礎知識・算出方法・注意点について」で解説していますので、ぜひご覧ください。
倉庫選びは費用だけでなく用途にも注意
今回は、物流機能を持ち合わせた倉庫費用の仕組みや相場、比較方法についてご紹介しました。
物流倉庫を選ぶ際は、かけられるコストに見合った物流サービスを探すことももちろん大切ですが、立地にも気をつける必要があります。と言うのも、倉庫の使い方が用途に準じていなければ、そもそもの利用目的を果たせない可能性があるからです。
そのため、自社で扱っている物品が営業倉庫の分類上のどれに該当するか、事前に確認しておくと安心でしょう。
全国で総合物流サービスを提供する関根エンタープライズグループ
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