物流倉庫の保管料とは?費用相場・仕組み・計算方法について | 関根エンタープライズグループ
2023.06.14
今回は、物流倉庫を借りる際に知っておくべき費用「倉庫保管料」についてご紹介します。
倉庫保管料とはそもそも何なのか、費用の仕組みや相場、計算方法について詳しくご紹介しますので、これから物流倉庫のレンタルを検討されている方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
倉庫保管料とは?費用の仕組み
倉庫保管料とは、利用するスペースあたりの賃料を指します。倉庫によって使用される単価は異なりますが、一般的には1坪あたりの単価が費用相場に沿うように設定されています。
倉庫保管料の設定基準は、地域や規模、環境、付随する機能・サービス、借りる時期によって幅がありますが、シーズンによって細かく料金が変わる倉庫もあれば、年間を通して一律の料金で提供している倉庫もあります。
料金形態について
倉庫保管料の料金形態について詳しく見ていきましょう。
倉庫の保管料は、1坪あたりで算出する「坪貸し保管料」と、1個あたりで算出する「個建て保管料」、1パレットあたりで算出する「パレット建て保管料」、1ラックあたりで算出する「ラック建て保管料」、空間を占める容積で算出する「容積建て保管料」などの単価を用いて提供されています。
【倉庫保管料の単価一覧】
- 坪貸し料金:1坪あたり
- 個建て料金:1個あたり
- パレット建て保管料:1パレットあたり
- ラック建て保管料:1ラックあたり
- 容積建て保管料:空間を占める容積
それぞれにメリット・デメリットがあり、例えば坪貸し料金は安定的に保管場所を確保できますが、その分無駄なスペースが発生しやすく、また個建て料金はコストを最小限におさえられる反面、量が変動することでかえって割高になってしまうことがあります。
そのため、物量とコストのバランスを考えて、適した倉庫を選ぶ必要があるでしょう。
倉庫費用の仕組みについては、「倉庫費用の仕組みは?費用相場と物流サービスの比較方法について」でも詳しくご紹介しています。
倉庫利用時に発生するその他の費用
物流機能を持った倉庫を利用する際は、倉庫保管料以外にも下記の費用が発生します。
【固定費】
- システム利用料:WMSなど物流システムの利用料
- 業務管理料:倉庫業務を管理するための事務手数料
【変動費】
- 入庫料:棚入れなどの費用
- デバンニング料:フォークリフトを使った荷卸し作業の費用
- 検品料:入庫時に検品する費用
- ピッキング・出荷料:集荷及び出荷作業の費用
- 梱包料・流通加工料:包装・検品・梱包などの費用
- 配送料:輸送にかかる費用
これらの費用は倉庫業(営業倉庫)のうち、普通倉庫業に分類される物流倉庫で発生する費用です。冷蔵・冷凍保管が必要な物品は冷蔵倉庫、原木など5類物品に該当するものは水面倉庫を利用する必要があり、この場合、光熱費などの費用が別途発生する可能性があります。
また、WMSとはWarehouse Management Systemの略称で、物品の入出庫や在庫管理の機能を持つ物流管理システムのことです。WMSの他にも、受発注の管理機能を持つOMS(Oder Management System)や、WMS・OMSが一体型となった管理システムもあります。
自社の物流業務をアナログからデジタルに切り替えたい方や、受発注・入出庫をデータで管理したいという方は、これらの物流システムが導入されている物流倉庫を選ぶと良いでしょう。
なお、物流現場で生じている課題と、その解決策については「物流最適化とは?具体的な取り組み事例や物流課題についても解説!」でご紹介していますので、倉庫選びの参考にご覧ください。
倉庫保管料の費用相場
次に、倉庫保管料の費用相場について詳しく見ていきます。
倉庫保管料の計算方法
先ほどご紹介した通り、倉庫保管料は倉庫によって使用される単価が異なりますが、どの料金形態においても「1坪あたりいくら」で計算されるのが一般的です。ですので、個建てだと1個あたりの寸法と個数で、容積建てだと使用する空間の寸法で計算を行います。
- 個建て保管料:1個あたりの寸法と個数を坪換算
- 容積建て保管料:全体の寸法(容積)を坪換算
また、パレット建て・ラック建てに関しては、パレット1枚分=約0.5坪、ラック1台分=約1坪で計算されることが多い傾向です。つまり、1坪あたり5,000円だとすると、パレット1枚分で2,500円、ラック1台分で5,000円という計算になります。
- パレット建て保管料:1枚あたり約0.5坪で計算
- ラック建て保管料:1台あたり約1坪で計算
坪単価あたりの費用相場
坪単価あたりの費用相場は、下記の通りです。
【1坪あたりの費用相場】
- 首都圏:4,000〜7,000円
- 近畿圏:5,000〜6,500円
- 中部圏:3,500〜4,000円
- 九州圏:4,000〜5,000円
- それ以外の地域:2,500〜4,000円
物の流通量が多い都市圏や、輸入品の輸送コストが下げられる海沿い、アクセスが良好な高速道路のインターチェンジ周辺の場合は、上記の相場より2倍ほど高くなる傾向があります。
賃料を安くしたいからといって、工場や店舗からアクセスが悪い倉庫を選んでしまうと、輸配送に時間がかかったり、ドライバーを確保する必要があったりと、かえって割高になってしまうケースがありますので注意が必要です。
そのため、賃料だけで決めるのではなく、時間・人件費・作業量・作業工数といった物流業務に伴うトータルコストを考えて、立地を選定しなければいけません。
また、貸倉庫を提供している物流事業者の中には、私たち関根エンタープライズグループのように輸配送業務も任せられるところがあります。倉庫業務と輸配送業務をセットで依頼することでトータルコストがおさえられる可能性がありますので、倉庫選びの際は輸配送業務についても同時に検討すると良いでしょう。
倉庫保管料以外の費用相場
倉庫を借りる際は、倉庫保管料以外の費用相場についても把握しておくべきです。
物流倉庫の費用は固定費と変動費に分けることができ、このうち倉庫保管料は固定費に含まれます。固定費は、シーズンや月ごとにあらかじめ金額が決められているため、利用内容によって変わることはまずありません。一方で変動費は、その期間中に扱った物量・作業量・作業内容に応じて料金が変わります。
【固定費】
- システム利用料:2〜8万円
- 業務保管料:1〜5万円
【変動費※1個あたり】
- 入庫料:10〜30円
- 検品料:10〜200円
- 出荷・ピッキング料:10〜30円 など
提供事業者によってプラン内容はさまざまで、一定の業務量を見込んだ定額制プランもあれば、利用する業務を自由に組み合わせることができるカスタマイズ制プランを提供しているところもあります。
そのため、物量・流通量の変動を考慮しながら、自社にあったプランがある倉庫を選ぶと良いでしょう。
なお、上記以外の料金については、「物流倉庫の費用って? 利用にかかる物流料金の相場は?」で詳しくご紹介していますので、併せてご覧ください。
倉庫保管料の相場だけでなく物流品質もチェック!
今回は、倉庫保管料の仕組みや費用相場についてご紹介しました。
物流機能を持つ貸倉庫を選ぶ際、倉庫保管料がコストに見合っているかというポイントも大切ですが、いくら費用が安くても物流品質が悪ければ本末転倒です。
物流品質とは物流にまつわる業務品質を指し、例えば、「荷主からのクレームが多い」「従業員によって作業効率に大きな差がある」「マテハン事故・輸配送事故が頻発している」といった状況を“物流品質が悪い”と表現します。
倉庫内の業務品質を上げる取り組みには、DX化やIoT化、物流システムの導入、人材育成などがありますが、なかでも、DX化や物流システムの導入は、国土交通省が主体となって推し進められている内容となっていますので、物流倉庫を選ぶ際の基準として、チェックリストに加えておくと良いでしょう。
物流品質については「物流品質の基礎知識!品質向上への取り組みや管理方法について解説」を参考にご覧ください。
なお、私たち関根エンタープライズグループでは、埼玉と大阪にある物流倉庫を中心に、関東・関西圏をカバーする18の物流拠点、当日オーダーにも対応できる手配力の運行管理者、平均年齢30代の若くパワーと技術を兼ね備えたドライバー、時代を見据え組織とシステムに投資を惜しまない管理職、警察OBによる安全追及専門部署と、全てにおいてトップクラスの品質で物流に関するあらゆるご要望にお応えしています。
全国で総合物流サービスを提供する関根エンタープライズグループ
私たち関根エンタープライズグループは、各サービスに専門特化した6社の会社で構成され、幹線輸送をはじめ、ユニック輸送・共同配送など、あらゆる輸送形態に対応する総合物流会社です。
埼玉と大阪に物流倉庫を有しているほか、全国各地に拠点を保有。
お客様満足度日本一を目指し、お客様のニーズにお応えできるサービスを提供しています。
配送や倉庫での保管だけでなく、各現場での実作業などにも対応しています。お困りごとがありましたら、まずはお気軽にご連絡ください。