倉庫を整理整頓して効率アップ!具体的な方法やコツを紹介 | 関根エンタープライズグループ
2023.06.21
今回は、物流倉庫を整理整頓する方法について解説しています。
具体的な取り組み方の他、整理整頓するメリットや、レイアウト・収納で気をつけるべきポイント、倉庫業務の効率を上げるコツについてもご紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
倉庫を整理整頓するメリット
倉庫を整理整頓するメリットは、業務効率が上がる点にあるでしょう。倉庫内が整理整頓されていれば、入庫・ピッキング・出庫作業がスムーズに行えますし、在庫管理もしやすくなります。
また、ラックなどに足を引っかけて転倒してしまったり、商品を落としてしまったりといった思わぬ事故やトラブルが発生するリスクを下げることにも繋がります。
【倉庫の整理整頓】やり方とポイントについて
倉庫の整理整頓にはどのようなものがあるのか、具体的なやり方と、そのポイントについて見ていきましょう。
倉庫の整理整頓①:5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)
5Sとは、倉庫内の環境を維持・向上させるためのスローガンです。倉庫内の整理整頓に限らず、製造工場や工場現場など、あらゆる分野で活用されています。
この5Sは「整理・整頓・清掃・清潔・しつけ(躾)」のイニシャルである「S」から取った略称で、それぞれ下記のような意味合いを持っています。
【5S活動】
- 整理:不要なモノを処分する
- 整頓:必要なモノを定位置に置く
- 清掃:不要なモノをすぐに使える状態にする
- 清潔:きれいな状態を維持する
- しつけ(躾):ルールを守る
ここで言うモノとは倉庫内にあるすべての物品を指し、商品や備品だけでなく、書類、情報、マテハン機器といったものも含まれています。
すでに5S活動を倉庫のスローガンとして掲げているところも多いかと思いますが、「5S活動=掃除、片付け」だと誤解されがちで、本来の目的が従業員に浸透していないケースがあります。
5S活動の本来の目的は、「必要なモノが明確で、いつも同じ場所にある状態を維持すること」であり、この意図も含めて周知していく必要があるでしょう。
例えば、
- 今は使っていないマニュアルが置かれている
- 使えなくなった文具や備品がそのままになっている
- 長らく使っていない台車やラックがある
- 古い資料と新しい資料が混在している
- 古いデータがパソコンの中に残ったままになっている
といった状況は、本当に必要なモノが見極められていないと言えます。使っていないマニュアルが放置されていたり、古い資料と新しい資料が混在していると、混乱やミスを招いてしまいますし、使えなくなったモノ・使わないモノは、倉庫内に存在するだけでファシリティコスト(スペースコスト)がかかっていると理解しなければなりません。
具体策としては、使えなくなったモノは処分する、いつか必要になるかもしれない資料は情報をデータ化して一元管理する(ナレッジベース化)、時々必要になるモノは他チームと共通化するといった方法があります。
倉庫の整理整頓②:3定(定位・定品・定量)
3定とは5Sの整頓に関するスローガンで、「定位・定品・定量」の略称です。具体的には、「決められた場所に、決められた物品を、決められた量だけ置く」という意味が込められています。
【3定管理】
- 定位:場所を定める
- 定品:物品を定める
- 定量:量を定める
3定管理の目的は、入ったばかりの従業員でも「どこに・何が・どれくらいあるか」が一目でわかる状態を作り、備品の紛失や商品への異物混入を防ぐことです。これによって、備品を探す手間がなくなるので人件費の無駄を削減できますし、無駄な出費もおさえられます。
3定の対象となるものは、台車やラック、工具類、刃物類、ハンディターミナルなどの備品で、具体的な方法としては、形状がわかるイラストシートや、型抜きされたスポンジに備品を収納する方法(「姿置き」と呼ばれます)、積み重ねた時の高さで確認する方法、管理番号を割り振って台帳などに記録する方法があります。
倉庫の整理整頓③:見える化
見える化とは、取り扱っているモノや情報を客観的に認識できる取り組みです。
倉庫内においては、ただ単に商品を整理整頓して見やすくするのではなく、商品ごとに決められた所番地をデータ化して共有したり、属人化しがちな作業をマニュアルにするなどの方法がとられます。
なかでも、商品ごとに所番地をつけて管理する方法はロケーション管理と呼ばれ、無駄なスペースの排除や、作業動線の確保に役立ちます。
また、マニュアルによる見える化については、例えば業務フローを大きなパネルにして取り付けたり、直感的に内容が理解できるようにイラストを使ったりといった方法があります。
このように、倉庫内における見える化とは、業務に関する情報を整理整頓して共通化する取り組みによって、作業効率を上げ、ミスを最小限におさえることが目的となっています。
倉庫業務の効率がさらにアップする整理整頓のコツ
次に、倉庫業務の効率がさらにアップする整理整頓のコツをご紹介していきます。
コツ①:目標を設定する
倉庫の整理整頓は、すべての従業員で取り組むのがコツです。そして、すべての従業員が同じ方向を目指すには、共通した目標を持つ必要があると言えるでしょう。
目標を設定する際は、「5Sを徹底しよう」「3定管理を忘れずに」といった抽象的なスローガンよりは、「誤出荷率○%減」「○PPM達成」など、数値が入っているものが望ましいとされています。数値目標があれば、どのように整理整頓していけば良いか、具体的な策を掘り下げていけるからです。
なお、物流品質の数値については「物流品質の指標『PPM』とは?基礎知識・算出方法・注意点について」で解説していますので、併せてご覧ください。
コツ②:売れ行きを把握する
倉庫の整理整頓に欠かせないロケーション管理ですが、ただ商品を所番地化するだけではなく、レイアウトや配置についても重視すべきです。そのためには、商品の売れ行きを管理していく必要があります。
例えば、よく売れる商品はピッキングエリアや出荷・検品エリアに近い位置に配置したり、あまり売れない商品は目線から外れた上段や下段に保管するなどで作業効率を上げることが可能です。また、繁忙期やセール期がある場合は、配置を組み替えることで生産性が上がる可能性もあるでしょう。
加えて、小売業の現場では、商品の売れ行きをいくつかのカテゴリーに分けて在庫を管理することが多いのですが、これは物流倉庫でも活用できます。
事業者や現場によって表現方法は多少異なりますが、よく売れている商品を「売れ筋」、需要はあるが売れる頻度は高くない商品を「見せ筋」、需要が低く売れにくい商品を「死に筋」、長期間にわたって安定的に売れている商品を「定番」、トレンドになっている商品を「流行」と、カテゴリー分けします。
【商品のカテゴリー分け】
- 売れ筋:よく売れている
- 見せ筋:需要はあるが売れる頻度は高くない
- 死に筋:需要が低く売れにくい
- 定番:長期間にわたって安定的に売れている
- 流行:トレンドになっている商品
定番商品とはいわゆるロングセラー商品を指し、流行商品とは今飛ぶように売れるヒット商品を指します。これらの分類は、市場・情勢・消費者ニーズの移り変わりに合わせて変化していくものですので、あらかじめ「売れ筋はここ、見せ筋はここ」という具合に配置を決めておけば、変化に応じてスムーズにレイアウトの組み替えができるでしょう。
レイアウトの最適化については「物流倉庫の業務を効率化!棚の選び方と使い分けのポイント」でも詳しくご紹介しています。ぜひご覧ください。
倉庫の整理整頓は業務効率アップに直結する
今回は、倉庫を整理整頓するメリットや具体的な方法、効率アップのコツについてご紹介しました。
倉庫の整理整頓は、倉庫業務の効率アップに直結します。倉庫内が整理整頓されていれば、業務がよりシンプルになりますので、作業スピードの向上やコスト削減、作業ミスの防止、従業員のモチベーション向上に貢献しますし、昨今問題となっている人手不足や長時間労働を解消する糸口が見つかるかもしれません。
また、「整理整頓のノウハウが知りたい」「一時的に現場を助けて欲しい」と悩まれている方は、物流アウトソーシングを活用してみるのも効果的です。あらゆる道筋を選択肢に入れて、倉庫内の整理整頓を実現していきましょう。
なお、物流アウトソーシングの仕組みについては「物流アウトソーシングとは?メリット・デメリット・業者の選び方を解説」で解説しています。
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