クレーンの作業半径とは?重要な専門用語について解説! | 関根エンタープライズグループ
2023.12.06
作業半径とは、クレーンを旋回させる際の中心部~フックまでの長さのことです。クレーンの操作にあたっては、この作業半径に関連する専門用語を知っておく必要があります。
そこで今回は、クレーンにおける作業半径の専門用語をいくつか取り上げて詳しく解説します。作業半径揚程図の使い方についても触れていくので、図面を確認する際の注意点が知りたい方も、ぜひ最後までご覧ください。
目次
クレーンの作業半径に関する専門用語を解説
クレーンの作業半径に関連する専門用語は多数存在します。ここでは、クレーンの取り扱いにあたって覚えておきたい重要用語を7つご紹介します。
作業半径とは
作業半径とは、クレーンを旋回した際の中心部分からフックの中心部分までの距離です。フートピンからフックまでの距離だと勘違いすることが多いので、気をつけましょう。
最大作業半径とは
最大作業半径とは、ブーム(クレーンにおける腕の部分)をもっとも低い角度かつ最長の状態にした時の作業半径を指します。
最大地上揚程とは
最大地上揚程とは、ブームの角度と長さを最大の状態にした時の地上揚程(地面からフックまでの距離)のことです。このとき、フックが安全装置である巻過警報装置に接することになります。
空車時クレーン容量とは
空車状態のクレーンが、最大吊り上げ荷重(作業半径を最小にした場合の最大荷重)をどのくらいの作業半径で吊り上げられるかどうかを示しています。吊り上げ性能を表す基準の1つです。
クレーンの吊り上げ荷重については、こちらの記事でも詳しく説明しています。
関連記事:「クレーンの吊り上げ荷重とは?定格荷重・定格総荷重について解説」
モーメント(t-m)表示とは
モーメント(t-m/トンメーター)表示では、各クレーンの吊り上げ性能を示す数値を提示します。
【計算式】
t-m=吊り上げ荷重×作業半径
吊り上げ性能を知りたい場合は、上記の計算式で数値が求められます。
定格総荷重とは
吊り上げられる最大荷重のことを定格総荷重と呼び、その時の作業半径によって数値は変わります。この数値には、フックをはじめとした吊り具の重さも含まれているので注意しましょう。なお、定格総荷重は2つの種類に分けられます。
- クレーン本体定格総荷重:クレーンの強度に関する性能
- 空車時定格総荷重:空車時の安定性を加味した性能
それぞれ異なる状況を示しているので、正確な判断を下しましょう。
アウトリガとは
アウトリガは、クレーンの作業を安定させるために使用する装置のことです。クレーンの車体から伸びた足のような形状をしています。このアウトリガを最大まで張り出し、後方吊りあるいは側方吊りの場合における性能が、空車時定格総荷重の性能です。
クレーンの作業半径揚程図の使い方
クレーンにおける作業半径揚程図は、基本的に2つの手順に沿って使用します。
①図面調査か現地調査によって、下記の数値を調べる。
- 旋回の中心部から、最初の障害の距離および高さ
- 旋回の中心部から、次の障害の距離および高さ(あった場合)
- 旋回の中心部から、荷物を降ろす場所/揚げる場所までの距離および高さ
②作業半径揚程図を使い、①で調べた数値を当てはめる。もし現在の状態だと障害物に当たってしまう場合は、より大きな機種が必要になる。
※荷を吊った場合のたわみが含まれていないため、余裕を持った判断をする
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