ユニック車の使い方は?必要な資格や操作の注意点も解説! | 関根エンタープライズグループ
2024.01.17
建設現場では、ユニック車が多く使用されています。ユニック車とは、トラッククレーンの別名で、重い荷物をクレーンで吊り上げ、運搬・搬入出を行う車両のことを指します。ユニック車は非常に便利ですが、正しい使い方でなければ大きな事故が発生するかもしれません。
この記事では、ユニック車の基本的な使い方について解説します。ユニック車の操作に必要な資格、操作のコツ・注意点、起こりやすい事故などにも触れていくので、ぜひ最後までお読みください。
ユニック車の使い方とは?
ここでは、ユニック車の基本的な使い方を7つのステップに分けて紹介します。
1.作業前の準備を行う
まず、作業開始前の準備として以下のような作業を実施します。
- 荷物の重量と重心をチェックする:目視だけでなく、現場監督者などに確認して正確な情報を取得する
- 定格荷重表を確認して作業半径などを把握する:作業半径、吊り上げ荷重、ブームの長さなどを確認する。定格荷重表はクレーンに記載されていることが多い。
- 吊り具を点検する:荷物に適した吊り具を選定し、破損などがないかチェックする。問題があった場合は交換や修理を行う。
クレーンの作業半径についてはこちらの記事でも詳しく説明しているので、ぜひお読みください。
関連記事:クレーンの作業半径とは?重要な専門用語について解説! | 関根エンタープライズグループ
2.アウトリガーを固定させる
次に、アウトリガーを最大まで張り出して地面に固定させましょう。アウトリガーとは、車体から伸びた腕のような部位によってユニック車の転倒を防ぐ装置のことです。
業務を行う際は「平地に固定する」「周囲に人がいないことを確認して張り出す」などに注意してください。
3.正しく玉掛けを行う
玉掛けとは、クレーンのフックなどに荷物を掛け外しする行為のことです。「荷物がフックに引っかかっていること」「問題なく吊り上げられること」をよく確認しましょう。
玉掛けの資格保有者と協働する場合は、十分に連携して作業を行うことが大切です。
4.吊り角度を確認する
玉掛けが終わったあとは注意深く荷物を吊り上げ、吊り角度のチェックを行います。この際は、吊り角度がなるべく小さくなるように意識しましょう。なぜかというと、吊り角度が大きくなりすぎると荷物が不安定になりがちだからです。
5.地切りを行う
地切りとは、荷物を吊り上げて地面から離すことを指します。クレーンにかかる負荷が減らせるように、ゆっくりと作業を進めることが重要です。荷物を吊り上げたあとは一度動きを静止し、安定性が維持できているか確認しましょう。
6.荷重計を確認する
作業実施中は、常に荷重計の数値をチェックしてください。もし異常な数値が表示されていたら荷物を慎重に下ろし、その旨を現場監督者などに伝えましょう。
7.アウトリガーを格納する
ここまでの作業が終わったら、アウトリガーを格納してください。格納作業中は周囲に人がいないことを確認し、安全管理を徹底しましょう。
ユニック車に必要な資格
ユニック車を操作するためには、既定の資格に合格しなければなりません。扱う荷物の重量によって必要な資格が変わるため、各資格の違いを覚えておきましょう。
- 小型移動式クレーンの運転業務に係わる特別教育:吊り上げ荷重0.5t~1t未満
- 小型移動式クレーン運転技能講習:吊り上げ荷重1t~5t未満
- 移動式クレーン運転士免許:吊り上げ荷重5t~
※資格の名称が変わることもあります。
ユニック車の資格については、こちらの記事も参考にしてください。
関連記事:ユニック車の運転に必要な免許や資格とは? | 関根エンタープライズグループ
ユニック車を使うコツ
ユニック車を安全に使うためには、使い方に関するいくつかのコツを守るといいでしょう。適切な使い方ができるよう日常的に意識づけることをおすすめします。
操作は1つずつ行う
「安全第一」を意識し、操作を1つひとつていねいに実施することが大切です。複数の操作をまとめて行おうとすると、事故につながる恐れがあります。
なお、ユニック車の情報(定格荷重表や吊り上げ荷重など)を把握しておくこともポイントの1つ。焦らずに作業ができる環境を整えておきましょう。
ブームを真上に移動後吊り上げる
ブームを真上に動かしてから荷物を吊り上げることも、重要なコツです。荷物が大きく揺れないように、ワイヤーをゆっくりと巻き上げてください。この際、フックを目線の高さに合わせておくことをおすすめします。
レバーをやさしく操作する
ユニック車のブームを動かすレバーは、ゆっくり丁寧に動かしてください。というのも、ブームを素早く動かしてしまうと適切な操作が難しくなってしまうからです。
ユニック車に多い事故
正しい使い方でユニック車を操作しなければ、さまざまな事故が発生する恐れがあります。ユニック車に多い事故を3種類紹介するので、参考にしてください。
転倒事故
ユニック車本体が転倒し、周囲の人々などに大きな被害をもたらすことがあります。定格総荷重や吊り上げ荷重などを把握していないことや、不安定な地面で作業を実施することなどが主な原因です。
衝突事故
ユニック車を傾斜地に停車させたあと、車体が逸走して別の車両に衝突してしまうことがあります。パーキングブレーキをしっかりと入れるなどして、正しい停車作業を心がけましょう。
荷物の落下事故
吊り上げていた荷物を落下させてしまう事故も見られます。考えられる原因は、ワイヤーの点検不足などです。
ユニック車を使う注意点
大きな事故を防ぐためには、ユニック車を操作する際の注意点を守りましょう。
定格総荷重を把握する
作業を開始する前に、定格総荷重を確認することが重要です。該当する数値にはフックなどの重さも含まれています。これによって、車体の転倒事故などが前もって防げるでしょう。
アウトリガーを最大まで張り出す
アウトリガーは、必ず最大まで引っ張り出して使用しましょう。この際、地面の硬さをチェックすることも大切です。地面がやわらかい状態で使用すると、横転事故につながってしまいます。
ブームを適切に扱う
ブームをしまい忘れると、走行時の衝突事故に結びつく恐れがあります。ユニック車を動かす際は、必ずブームを移動させてから作業を行うようにしてください。
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